たべちゃいたいほど、恋してる。
「う、そ」
優衣の部屋の窓からほぼ真下に見える道路に佇む一つの影。
それは優衣の部屋を見上げ立っている龍之介の姿。
その髪は見慣れたいつもの黒ではなく、まるで月光をそのまま吸収したような銀色だったけれど。
それでも間違いなく彼で。
あの銀色を違和感なく持つのは優衣の知るかぎり彼だけで。
信じられないと思いながらも、震える指先で恐る恐る窓を開ける。
そしてそれは現実のものとして優衣に降り注いだ。
「優衣」
電話口と重なるように外からも聞こえる龍之介の声。
それは間違いなく優衣の名前を呼んでいた。
その声に優衣の心臓が震える。
少しずつ優衣の家の方へと歩みを近付ける龍之介。