たべちゃいたいほど、恋してる。
その映像を思い浮べた瞬間、さっと血の気が引いていく優衣の体。
震える体の理由は、先ほどまでとはまるで違う恐怖。
(龍くんが、なんて…いやだ…!)
優衣はぎゅっと携帯を握り締め、焦ったように龍之介に向かってブンブンと勢いよく首を横に振る。
その意味がわからない龍之介ではないはずだ。
だが、龍之介は一歩たりともその場から動こうとはしない。
「りゅ、くん…っだめなの…!」
「優衣」
来ちゃだめだと必死に龍之介に訴えかける優衣だが、龍之介はそんな優衣の叫びを遮るように優衣の名前を呼んだ。
いつだって優衣の鼓膜を、心を震わせるそれ。
瞳と同じ、優しくも強いその声色にドキンと脈打つ心臓。
頬が赤くなるのはもう自然現象としかいえない。