たべちゃいたいほど、恋してる。




喧嘩してしまっていたはずだとか。

まだ怒ってるんじゃないのかとか。

嫌いになったんじゃないのかとか。


会うことが出来なかった期間、いろんな思いが頭の中を巡っていたはずなのに。

龍之介の存在が、そんなものを一気に吹き飛ばして。


ただ、その腕に抱き締めてほしいと。

もう一度苦しいくらいに抱き締めてほしいと、そう強く強く願った。


そして優衣はこの部屋を飛び出すため、窓枠に足をかける。


不安は、一つもない。




(だって、龍くんがいるもん)




大丈夫に決まっている。

必ずあの大きな体で、腕で抱き留めてくれるとわかるから。

だから何も怖くはない。


確かな理由など何一つ無いけれど。

それでも優衣は一切の疑いを抱くことなくそう確信している。




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