チョウクライロ伝説
光男が乗った秋田新幹線が秋田駅のホームに滑り込んだ。故郷ではあったが、東京暮らしの長かった光男にとっては未だ観光地っぽい新鮮さを感じる秋田駅だった。
「いつの間にこんな駅ビルなんかできちゃって」
秋田を離れて15年になる。
しかし駅を出た光男は今度は逆の意味で愕然とした。秋田駅前の巨大ホテルグループが倒産し、廃墟と化したホテルの建物がそのまま駅前に佇んだままだ。そして何より当時にぎわっていた広小路商店街のあまりの衰退。光男的には秋田市の象徴だと思っていた広小路。
「時代の流れか・・・どこの地方都市も同じだな」
お堀の向かい、千秋公園の桜はまだのようだったが暖かい陽射しに震えずに歩ける春の陽が嬉しかった。
のんびりと歩き、待ちあわせの老舗ホテルに向かった。周りの景観が記憶に残るものと違っていたので多少戸惑ったが、ホテルそのもは変わりなくどこか威厳を保ちながらその場所の空気を作っていた。
ホテルに着くとまっすぐに一階のレストランに入っていった。
隅のほうに見覚えのある背中が見えた。
「大ちゃん!久しぶり!」
光男の声に振り向いた大介は相変わらずの無作為な髪の毛に黒ブチのメガネをかけて、昭和の男そのままだった。
「みっちゃんはまた随分垢抜けしちゃって。カッコいいね」
「うん、思い切りおしゃれして帰ってきた」
「思い切り・・・まぁまぁ、座れよ」
テーブルの上には資料が山積みだった。その脇に申し訳程度に珈琲カップが置いてあった。見ると底の飲み干した珈琲跡がすでに乾いていた。
「大ちゃん、いつからいるの?」
「あ、みっちゃんお腹すいた?なんか食べようか。ここのお弁当おいしいんだよ」
なんだか変なやり取りだったが大ちゃんのペースが楽しかった。資料をようやく片づけてランチ弁当を2人で食べた。
「いつの間にこんな駅ビルなんかできちゃって」
秋田を離れて15年になる。
しかし駅を出た光男は今度は逆の意味で愕然とした。秋田駅前の巨大ホテルグループが倒産し、廃墟と化したホテルの建物がそのまま駅前に佇んだままだ。そして何より当時にぎわっていた広小路商店街のあまりの衰退。光男的には秋田市の象徴だと思っていた広小路。
「時代の流れか・・・どこの地方都市も同じだな」
お堀の向かい、千秋公園の桜はまだのようだったが暖かい陽射しに震えずに歩ける春の陽が嬉しかった。
のんびりと歩き、待ちあわせの老舗ホテルに向かった。周りの景観が記憶に残るものと違っていたので多少戸惑ったが、ホテルそのもは変わりなくどこか威厳を保ちながらその場所の空気を作っていた。
ホテルに着くとまっすぐに一階のレストランに入っていった。
隅のほうに見覚えのある背中が見えた。
「大ちゃん!久しぶり!」
光男の声に振り向いた大介は相変わらずの無作為な髪の毛に黒ブチのメガネをかけて、昭和の男そのままだった。
「みっちゃんはまた随分垢抜けしちゃって。カッコいいね」
「うん、思い切りおしゃれして帰ってきた」
「思い切り・・・まぁまぁ、座れよ」
テーブルの上には資料が山積みだった。その脇に申し訳程度に珈琲カップが置いてあった。見ると底の飲み干した珈琲跡がすでに乾いていた。
「大ちゃん、いつからいるの?」
「あ、みっちゃんお腹すいた?なんか食べようか。ここのお弁当おいしいんだよ」
なんだか変なやり取りだったが大ちゃんのペースが楽しかった。資料をようやく片づけてランチ弁当を2人で食べた。