虹を好きになったあなた
「ハァハァ……やっと見つけた…!」



「――蒼‥ちゃん」



ドアに手をつきながら肩で息をしている蒼ちゃんだった。



どうしてここに――?



「保健室に行くっつったのに保健室にはいないし…探した」



はぁ~っと蒼ちゃんは息を吐いた。



なんで…走ってまで私を探したの…?



「光…泣いてる――」


蒼ちゃんの手がそっと伸びてきた。



でも…こんな顔見られたくなくて、今は1人になりたくて…手を払った。



「ほっといて!」



私は立ち上がって部屋の奥のほうに行こうとしたのに…



「待てよ、光!」



蒼ちゃんが私の腕を掴んできた。



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