私だけの王子さま

後悔と過去



ブロロローッ…………


アキラは舌打ちをした後、乱暴にアクセルを踏んで去って行った。


最後に、

「お前って、本当に外見だけの女だな」

という言葉を残して――。





私は、家に帰る気にもなれずに、ただぼんやりと歩いていた。


アキラの言葉を思い出すと、どうしようもないくらいの怒りが込み上げてくる。


でも、私には怒る資格はない。


私だって、結局はアキラと同じだから。


人は外見……そう思っていたのだから。

もちろんアキラのことだって、そういう目でみていた。


今さら後悔したって遅いかもしれない。



でも、

後悔せずにはいられなかった。





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