私だけの王子さま
第8章 もどかしい関係
言えない‘好き’
――翌日。
「…そっか。雪也くん、ちゃんと打ち明けたんだ?」
「はい。色々あったんですけどね…」
私は、ホームに着くなり、真っ先に花梨さんに昨日のことを報告した。
「良かった。安心したわ」
花梨さんは、ホッと胸を撫で下ろしている。
だけど、よく考えてみれば、一つだけ、分からないことがあるのだ。
それは…
私と委員長の‘関係’のこと。
昨日は、あんなことがあって、抱き合ったり、手を取り合ったりした。
お互いに、必要な存在であることも確認できた…はずだ。
だけど、肝心の‘好き’って気持ちは伝えていないわけで…。
それって一体どうなのだろう?
委員長は、私のことをどう思っているのだろうか?
昨日帰ってから、そんなことを考えていたら、あっという間に朝が来てしまった。