Monsoon Town
顔が熱っぽいのは、事実だからである。

「ウソだって言ってるんだよ。

少しお前をはめて見たんだよ」

「なっ…!」

状況がわかった那智は、今度は別の意味で動揺をした。

「ひどーいっ!」

「だまされたのは那智の方だろ?」

「それは…」

いつの間にか、このペースの主導権は陣内が握っていた。

何故だか自分は、そんな彼のペースに巻き込まれている状態である。

うるさいくらいに鳴っている心臓も、燃えるように熱い顔も、一体何故なのだろうか?

(――まるで、私が彼のことを好きみたいじゃない…)

そう思ったとたん、那智は気づいた。
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