Monsoon Town
なのに、いつの間にか自分は彼のことを好きになってしまっていた。

いつからこの気持ちはあったのだろうか?

初めて会った時からだろうか?

酔って倒れた時、陣内におぶってもらった時からだろうか?

(――わからない…)

気がつけば、自分は彼を思っていた。

自分の理想とは全くかけ離れた男に、自分は恋に落ちた。

店を出ると、
「お昼、ごちそうさまでした」

那智は陣内にお礼を言った。

「また一緒にいいか?」

そう言われた瞬間、那智の心臓がドキン…と鳴った。

(――“また一緒に”って、私と…?)

「はい」

気がつけば、那智は首を縦に振ってうなずいていた。
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