Monsoon Town
陣内の前に現れたのは、黒のニット帽と黒のサングラスを身につけた男だった。

「よく気づきましたね」

その男が唇を動かした。

「サングラスはともかく、ニット帽をかぶっているところが奇妙だなと思ってな。

こんなにも暑いのに、変わった趣味を持ったヤツだ」

「そう、いいますか」

男が身につけていたニット帽とサングラスを外した。

そこから現れたのは、短髪の赤茶色の髪と俳優のように整った顔立ち。

右耳についているダイヤのピアスが太陽に反射して、キラキラと輝いていた。

「お前は何者だ?

何故、俺の後を追っていた?

それも、今朝家を出た時から」

男はプッと吹き出すと、
「そこから気づいてたんですか?」
と、言った。
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