Monsoon Town
好きになった男の心の中には、いつも別の人がいた。

自分以外の別の女が居座っていた。

どんなに狡猾な手を使っても、相手は振り向いてくれなかった。

――何かお嬢様って、すげーわがままそうじゃん?

そんなセリフを聞いたのは、高校時代だった。

偶然、つきあっていた彼氏と友達の会話を聞いてしまった。

――自分さえよければOKみたいな

――他の人はどうでもいい的な?

その会話を聞いた翌日、自分から彼氏と別れた。

その後も、結果は同じだった。

あまりにも同じ結果が続くから、もう笑うことができなかった。
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