人の恋を笑うな
顔がひどい事になっていた。両頬をつねられ、ビンタされ、お多福みたいに腫れている


島田さんはコンビニで冷却シートを買ってきてくれて今貼ってるところだ


石田の野郎には倍のパンチ喰らわせて、金蹴りで喧嘩は終了となる…


『桜川さん、やんちゃですね…目が点になりましたよ』と島田さんは笑った


『すいませんでした…私どうも喧嘩っぱやいようで…おまけに結構昔から妹と取っ組みあいの喧嘩してたから、手早いんです…あいたた』しゃべると頬が痛かった


まったく社長は大阪のスタッフに私の存在をなんと言ってるんだろうか


『実は…社長が前大阪にきて俺達にはっぱかけたんですよ、売上頑張らなきゃ、女編集長でも置いて、まくし立てさせるぞって。うちはとくに編集長なんていないでやってるから…誠也さんもいい人なんですよ

スタッフ思いで…いつか東京にこのスタジオ移転させて部数増やそうって頑張ってるんです

でも少し勘違い多くて、口が悪いだけで…』


『そうなんだ…社長がね。そんな時に私が大阪きたら勘違いもしますよね。明日、石田さんやスタッフさんに謝って東京帰ります。あと社長にも謝って…』


その時休憩所に石田が入ってきた!まだやるつもりかぁ!


『桜川さん、すんません』と頭を下げた


『あ、いえ…こちらこそ』と私も頭を下げた


『社長から電話もろて…女編集長になんてできるわけないだろうって…超勘違いしてましたわ』


『わかっていただければ…暴力ふるったのは私からですから、ごめんなさい』


お多福女と勘違い男はやっとわかりあい、仲直りした

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