SEASONS
「んー?」


声のする方へ足を向けると、一番奥の書架の行き止まりにいた。


「どうしたの?」

「ちょっと」


手まねきされて、吸い寄せられるように近づいた。


「ここなら誰にも見られない」

「……ん」



そう言って重ねられた唇。



確かにここなら見つからない。

見つかるよりも先に、誰か入ってきたら自分達がわかるから。




「何かこういうの、ドキドキするかも」

「もう……」
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