SEASONS
「気にしてないよ」

大野くんはあたしの頭を引き寄せて、一瞬だけ抱き締めた。

「時間出来ちゃったし、どっか行く?」



「……大野くんの家、行きたい……」

「え?」


いつの間に降り出したんだろう。

雨の匂いがする。


「あー……、今日はちょっと……」

「ダメ?」


「今日は誰もいないんだ。両親とも泊まりで出かけてて」

「……行きたい、大野くんの家」



「成海」

大野くんはあたしと向かい合うように立つと、あたしの両肩に手を置いた。




「誰もいない男の家に来る意味、わかって言ってんの?」
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