同居から始まる恋もある!?
あまり長居しても、マスターが疲れてしまうということで、俺達は暫らく他愛も無いことを喋った後に病室を出た。
「…マスター、他に人雇う気ねえのかな」
外灯の光で薄ぼんやりと照らされる道を、ふたりで静かに歩く。
律はぽつりとそう呟いた。
はじめて、Bar ロッカバラッドに立ち寄ったのは6年前。実家を飛び出して1年を少し過ぎた夏の日。
そのときからずっと、彼以外にあの場所で人が働いているところを見たことが無い。だから、俺が入る前には、あの店にはマトモなフードメニューなんて皆無だった。
「俺も、前言ったんだよ。他にさ、せめてホールまわす子を一人雇ったほうがいいんじゃないかって」
「そしたらなんて?」
「…こちら側は不用意に他人を立ち入らせないんです、だってさ」
「なんだそれ」