同居から始まる恋もある!?

俺は、珍しく人を突き放すような台詞を吐いたマスターの顔を、今でも忘れていない。

なぜ彼は、ああも愛おしそうな表情をするのだろう。

まるで、ロッカは彼の恋人のようで。自分の恋人を他人に触れさせたくないような、そんな独占欲すら感じる。


「店が大切なのはわかるけど、それで店が潰れちまったら意味ないじゃんな」

「ロッカは、律にとっても大切な場所だしね」

「…そういう言い方やめろよな。自分のことを棚において」


チッと舌打ちをする律に小さく笑いながら、俺は空を見上げる。夏色の空には、弱い光を放つ星が無数に散っている。


「あー…、でも、よかった。ほんと」

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