同居から始まる恋もある!?
そんな彼女を無心のまま見つめる俺の手を、染める温度は。
『芹生……、大丈夫?』
黒目がちな瞳を持ち上げてそう問うのは、妹のように可愛がっていたサチだった。
片手には、小さなタッパーに入れられた煮物。どうやら、夕飯のお裾分けに来てくれたらしい。
全然、大丈夫だと、微笑もうとした。
けれどその柔らかな手を握り返そうとした瞬間、無性に――。
なんだか、馬鹿みたいに泣き出したくなってしまった。