先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
憔悴しきった後輩の売れっ子ラノベ作家有山 駿の声。
『神崎先輩ですか? 俺です、有山です……』
「あ、有山君」
淀川が主催する忘年会や新年会で何度か会った事をキッカケにして親しくなった僕達、だけど僕が失速するに従い、連絡を取る回数や会う機会は激減して行き、いまや殆ど連絡なんか寄越さなくなっていたのに。
やっぱり彼もショックを受けているのだなと思い、僕は声が出来るだけ明るく聞こえるようにトーンを上げた。
「聞いたよ、淀川が民事再生申請したって」
『……そうなんです、だから俺』
「大丈夫だよ! 有山君レベルの売れっ子ならどこだって欲しいって声を掛けて来るだろうし。心配しないで、むしろ痛いのは僕みたいなザコ作家だって、アハハハ」
自嘲的な言葉を口にし、電話の向こうで死にそうな顔をしているであろう有山君を励ましたのだけれど、彼はもっと深刻な相談を始める。
『もうラノベ業界も終わりですよ、作者が多過ぎて飽和状態ですし。他社に移籍するって言っても……それに印税も支払われなくなるし』
小説家も大変な仕事だ、昔のように書き手が少ない頃は売り手市場だったけれど一時、ファンタジーがブームになった影響で書き手が増えた事により、読者の好みが細分化されて行き……。
『神崎先輩ですか? 俺です、有山です……』
「あ、有山君」
淀川が主催する忘年会や新年会で何度か会った事をキッカケにして親しくなった僕達、だけど僕が失速するに従い、連絡を取る回数や会う機会は激減して行き、いまや殆ど連絡なんか寄越さなくなっていたのに。
やっぱり彼もショックを受けているのだなと思い、僕は声が出来るだけ明るく聞こえるようにトーンを上げた。
「聞いたよ、淀川が民事再生申請したって」
『……そうなんです、だから俺』
「大丈夫だよ! 有山君レベルの売れっ子ならどこだって欲しいって声を掛けて来るだろうし。心配しないで、むしろ痛いのは僕みたいなザコ作家だって、アハハハ」
自嘲的な言葉を口にし、電話の向こうで死にそうな顔をしているであろう有山君を励ましたのだけれど、彼はもっと深刻な相談を始める。
『もうラノベ業界も終わりですよ、作者が多過ぎて飽和状態ですし。他社に移籍するって言っても……それに印税も支払われなくなるし』
小説家も大変な仕事だ、昔のように書き手が少ない頃は売り手市場だったけれど一時、ファンタジーがブームになった影響で書き手が増えた事により、読者の好みが細分化されて行き……。