先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
「ならいい機会じゃねーか、正々堂々と戦ってお前がブチのめしてやればいい、あの女を」
「知ってるんですか? 裕実を! 」
「一度だけ会ったぞ、ホントあいつ怖い女だな。大体よぉ、ベリーラブで書籍化する時だって、勤務先の報道局の局長同伴で突然編集部に現れて」


局のニュースでも取り上げるから、と猛プッシュを掛けて来たという。


きっとその局長は裕実の今の男なのだろう、大体TV局の事務職をしててそんな偉い人間を簡単に連れて来られるはずなんか無いのだから。


この宮澤さんに怖い女と言われるからには、相当他でもダーティーな真似をしているに違いない。


「で、戦うのか? 負けて泣いて逃げるのか? どっちだ? 」
「うーん」
「悩んでんじゃねぇよ! 男だったら戦う方をソッコー選べよ! 」
「分かりました、戦います」


こうして『yumi☆』VS僕の戦いは、宮澤さんの指図により勝手にスタートして行った。
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