先生、男と女になれません。 -オトナの恋事情ー
新宿二丁目から新宿駅へ並んで歩きながら、宮澤さんの過去を思う。


きっと辛かっただろう、それでこんなに性格が……。


いや、それは違うかも知れない。


でも抑圧され続けた末、女王様へと変貌を遂げたという可能性も捨てがたい。


ほんの少しだけ過去を知った事で、余計にその謎を深めてしまった。


「神崎」
「はい」
「どうだった? あの和希は」
「え……まあ、その男同士っていう点を抜きにすればあの指使いは相当なものかと」


正直、反応しそうでマズかったと告げると即座にローキックを与えられる。


「ヴァーカ! ネタになるかどうか聞いてんだよ! 」
「ネタですか? 」
「主人公の姉だよ姉! あれを和希に置き換えたら面白くなるんじゃないかと思って会わせたのに……お前は一体何を考えてるんだっ! 」


2発目のローキックが入り、僕は痛みに耐え切れず人目をはばかる事なくその場へしゃがみ込んでしまった。
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