俺の彼女は,隣の男と浮気中!?【短編】

相変わらずマイペースな人間だ。圭という男は。でも長い付き合いだし、いいとこもあるから嫌いにはなれない。一応は本音が話せる唯一の相手なのだ。べつに友達が少ないからじゃないけどさ。


｢なんでおまえ飯先に食べちゃってるんだよ?｣


圭は少し不満そうな声を出した。


｢いや、おまえに合わせてなんで俺が動かなきゃいけないんだよ｣


俺の正統な突っ込みに、圭はふっと笑った。


｢まあ確かに。｣


がやがやとうるさい店内をぐるりと見渡す。
さすが日曜で、しかもファミレスとくれば

家族連れが多い。
禁煙席の方では
幼い子供が走り回って親につかまって叱られていた。


｢やっぱ日曜は混むな。｣


｢まあ休日だからなあ。｣


圭もまわりをみて呟く。

そしてふとこちらを見た。

｢そいや飯って、おまえ彼女に作ってもらったの?｣


｢え?あ、まぁ。

つくりおきって感じだったけど｣


そう答えると
圭は何か考えて
気味悪い笑い方をした。

｢ふ〜ん?｣


なんだよ、その笑い方は。

｢何が言いたい?｣


｢いやべつに?｣