俺の彼女は,隣の男と浮気中!?【短編】
……もしかして。


ある予感がよぎり、俺は圭を軽くひじうちした。


「彼女いつのまにできたんだよ。」


俺の言葉に対して圭は軽く否定する。


「いや、あれは彼女っていうか……」


めずらしくも狼狽する姿。いつも涼しい顔をしてるくせに…。


こいつ…人が悩んでる間に自分は恋愛してたのか。

しかも黙ってて。


「お前まさか、あの彼女とデートまで時間があったからその時間埋めるため、俺と会っただけ?」


いや、それしか考えられない。


「まさか〜。ハハハ。お、もうここでいいよ。」



圭は焦った様子で俺から一方的に離れた。やっぱり………。



俺は走っていく圭の後ろ姿を立ち尽くしたまま目で追う。


あいつ……。


うまいこと俺を利用しただけか。時間潰しに。だよな、それぐらいだよな。


俺はがっくし肩を落とした。


圭は彼女に会うと手を繋いで、駅にあふれる人の中へ消えて行った。



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