未来観測
「…あぁ。
すいません。
俺テンパっちゃって。」


下崎君の言葉に安心したのだろう
ようやく笑顔を見せた広瀬君は、あたしにぎこちない笑顔を見せて大丈夫?と聞いた

あたしはその声にちゃんと“うん”と答えられていただろうか


彼に。
そう。
赤谷君に支えられているその場所から
全身に熱が回って

何だか痛みより、ふらふらと身体全体が宙に浮いてるような感覚に陥った



「あ〜…広瀬。
先生は俺たちが保健室連れてくからさ。
お前もう授業戻っていいよ」


下崎君がそう言うと
広瀬君はあたしの方をちらっと見て「本当、ごめんね。」とまた謝り
その場から離れていった

それと同時にぎゅっと身体が引っ張られる


「…わっ」


思わずそう叫ぶと
次の瞬間彼のぼそっとした声が耳に入ってきた



「簡単に触られてんじゃねーよ。」




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