未来観測
あ…。
時、既に遅し。

バ…バレた…。

絶対バレたよね…?


頭が真っ白になり、助けを求めるように目の前の赤谷君に目を向けると
彼は少し笑いながら
「ごめん、海人いるのすっかり忘れてた」と全然気にもしていない様子。


いやいやいや。
どう考えたってやばいでしょ。この状況。


「先生今日絆創膏貼って帰ることになるけど大丈夫?
かなり目立っちゃうけど」


焦るあたしとは対照的に
冷静沈着な彼。

確かに言われてみれば、膝の真ん中に大きな絆創膏って…

私、転びました。と絵に書いたような様子に
思わず自分で自分を笑ってしまう


「あー。
ついてないな~」


「本当先生って変なとこでドジだよね。
まぁそういうギャップが先生の魅力だったりもするけど」


ボボボボボ。

そんな彼の言葉に
火がついたように赤くなるあたし。

するとまたもや横から遠慮がちな声がした



「あの~…」





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