EMERALD
《旅行や観光なんて、お気楽な理由ではないことは、始めに言っておくわ》
エマは世羅の答えを、焦りもせず、余裕をもって待っていた
《・・・・・・私に、用なんですよね?じゃあ、殿下、関係・・・・・・?》
世羅の答えに、エマの表情は変わらない
《そうね。その返答に点数をつけるなら、百点、でしょうね。でも、私の点数はマイナスだわ、マイナス》
《・・・・・・・・・??》
何が言いたいのだろう?
目の前の貴族の令嬢は、満足したような、退屈そうな・・・
言い表しにくい表情をしている