《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
それでも、ありったけの
想いを込めて、あたしは
そう伝えた。


爽介は、最後に黙って
力強く頷くと――そのまま
あたしに背を向けて、地上
出口から駅の外に歩いてく。


ずっとその姿を目で追いた
かったけど、すぐに人ゴミに
紛れて、その背中は
見えなくなった。


それでも、そのまま5分
くらい、あたしはそこで
立ち尽くして。


キスの余韻が完全に消えて
なくなった頃――ようやく
小さく、ため息をつく。


――もう、あたしにできる
ことは何もない。

後はただ、爽介を信じて
待つだけ。


「……がんばって、爽介」


聞こえないってわかってる
けど、もう一度だけつぶやいて。


あたしは、ゆっくりと
歩き出した――…。



     ☆☆☆☆☆



行くあてもなくブラブラと
通りを歩いてると、バッグの
中で携帯が振動してるのに
気づく。


足を止めて携帯を取り出し、
ディスプレイを確認して。


「パパ……?」


意外な表示に、あたしは
つい声をもらしながら通話
ボタンを押した。
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