《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
さすがに夕方までブラブラ
なんてしてらんないし……
いったん離れるしかないとは
わかってるんだけどね。


『……離れがたいのは
わからんでもないが、
無茶はするなよ。

桐生に付き合って、お前も
ここ最近は忙しかっただろう』


電話の向こうから、少し
だけたしなめるような口調。


……なんか今日のパパ、
気持ち悪いくらい鋭くない?


爽介の傍を離れづらくて
帰れないことまで、
見透かされちゃってる。

パパってこんな、あたしの
気持ちをわかってくれる人
だったっけ……?


――そんな驚きが、まず
先にたつけど。


でも、パパにそう言われる
ことは、今は不思議と
イヤじゃなかった。


むしろ、お説教じみた
言い方してるけど、結局は
気遣ってくれてるのかな、
なんて思うと、くすぐったい
けどなんとなく嬉しい。



パパが、あたしが爽介と
一緒にコンクールに挑むのを
認めるって言ってくれた日から。


あたしとパパの関係も、
少しずつ変わってきてる――
そんな気がしてた。
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