《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
あたしもさっきから、
相当に緊張してる。

そうね、神経張り詰めすぎて、
脇腹が痛くなる程度には。


でも、これはあくまで
『緊張』で、結果がどう
なのかが不安で怖い、って
いう感情じゃない。


それにもちろん、あたしが
パリでコンクールに参加
してた頃の気持ちとも違う。


あの頃は、『きっとまた
ダメなんじゃ』って気持ちが、
まず念頭にあって。


結果を待ってる時も、
『聞くのが怖い』っていう、
後ろ向きな感情しかなかった。


でも今は、爽介なら絶対に
大丈夫、っていう揺るぎない
気持ちがあるから、怖い
とは思わない。


ただ、来るべき答えを待つ
間の、押さえようのない緊張。

それで、体が堅くなってるだけ。


……そんなあたしの緊張を
察したのか、目の前にいた
爽介が、無言でピンと
あたしのおでこを弾いた。


たいして痛くなかったけど、
ただちょっとビックリして
爽介を見ると。


――大丈夫だって。


まっすぐに澄んだ瞳が、
そうあたしに語りかけてる。
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