《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
ウン、そーだよね。

わかってるよ。


あたしが、うっすらと頬に
笑みを浮かべて、頷いた時。


まるで、タイミングを
合わせたかのように――
デスクの上の、電話が鳴った。


「来たな」


全員の視線が、瞬時に
電話に集中する。


今にも切れそうな糸の
ように、その場の空気は
ピンと張り詰めてた。


コール音が2回…3回…。


とっくに手は伸ばしてるのに、
新条さんはすぐには受話器を
とらない。


あまりに緊張してとれない
のか、すぐにとったら
待ってました感満載だから
わざと待ってるのか――
よくわかんないけど。


「新条さん!」


たまり兼ねたような爽介に
名前を呼ばれて、ようやく
新条さんは受話器をとった。


「はい、パティスリー・ルナです」


初めて、新条さんのこんなに
強張った声を聞く。


「はい、新条は私です。
はい――ええ――……」
< 349 / 384 >

この作品をシェア

pagetop