《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
「爽介、オメデト……。

がんばったもんね。
ホントに、よか、た……」


「あーもー、わかったわかった!
ムリにしゃべるな」


爽介は困ったような声で
そう言うと、乱暴にあたしの
両肩をつかんで、すぐ傍の
事務机の椅子に強引に座らせる。


ドサッとお尻をついた
あたしの肩から手を離す
間際に、一瞬だけあたしの
耳元に口を寄せて、


「今は抱いてやれねーん
だから、こんなとこで
泣くんじゃねーよ」


あたしにしか聞こえない、
風みたいな囁き。


ハッとして顔をあげた
あたしの涙を、指で拭って。


ようやく少し戻った視界の
中で、爽介は、どこまでも
堂々としてまぶしい笑顔で、
ほほ笑んでた。


「――約束はちゃんと
守るって言ったろ」


「――ウン………」


そうだね。


爽介はちゃんと、あたし
との約束を果たしてくれた。

約束どおり、ホントに
勝利をつかみ取ってくれた。


……あたしと爽介、2人の
想いを込めた作品が、
認めてもらえた。

それがホントに、
こんなにも嬉しい。
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