《完》極上☆SWEETS!! 〜愛しのショコラ・プリンス〜
パパの指示で、社会勉強の
ために働くことになったこと。


贔屓されないように、
ただのバイトとして
働くのが条件だったこと。


これからは身分をあかして、
あの店で働き続けたいって
思ってること……。



ずっと黙って聞いてくれてた
爽介は、話を聞き終わると、
静かに深呼吸して。


「――事情はわかった。

まぁ、まだ実感はねーけど
……現に社長がここに
いるんだもんな。

これで冗談だったら、
そっちの方が驚きだ」


そんな、いかにも爽介
らしい納得の仕方で、
あたしを責めることもなく、
笑ってくれる。


「……怒ってない?」


「そーゆー事情なら、まぁ
仕方ねーだろ。

オレに一番に話してくれた
みたいだしな」


そう言ってほほ笑む爽介の
表情は、取り繕ってるよう
には見えない。


――よかった。


あたしはホッと胸を撫で
下ろした。


「店の面々にも、新条の
助けを借りて早めに
伝えるのがいいだろう。

そのあたりはお前達に任せる」
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