君が嫌いな君が好き













―悠斗side―










「ん……………」






俺は、いつの間にか寝てた。


あー…そう言えば俺、捺と寝てたんだっけ。








「ふぁ…」








いつの間にか捺から離された袖を確認して、俺は伸びをしながら欠伸をした。








「今何時だよ…」








目を擦って、捺の部屋にある林檎型の時計を見る。








「もう昼か」








12:38。

寝てたから、あんま腹は減ってない。








「……」








すやすやと眠る捺を、俺はじっと見つめた。

すると、捺の目がゆっくりと開いた。








『ん、……………』

「あ、なっちゃん、起きた」

『…』

「なっちゃんの寝顔可愛いくて、お兄ちゃんもう…メロメロvV」








いつものように、ニッコリ笑う俺。
そんな俺に、捺はグーパンチを頬にしてきた。








「グハ!」

『地獄に落ちろ』

「反抗期ぃぃい!!」

『兄離れの時期』

「そんなの認めない!」








俺は、殴られた頬を擦りながら捺を見上げる。

捺がベットに座ってて、俺は床に座ってるから、俺は必然的に捺を見上げる事になる。


そんな俺を見て捺は、ふぅ…と溜め息をついた。

溜め息をついた捺の顔が、どこか微笑んでいるように俺は見たえた。










―悠斗side end―












(俺が見たい捺の顔は、そういう顔だよ)





< 18 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop