君が嫌いな君が好き
捺が悠斗の頬を触り、悠斗はその手に自分の手を重ねた。
「なっちゃん今日は、お兄ちゃんにやっさしーねvV」
悠斗の言葉に捺は、手を引いた。
「あぁー、もうちょい触って欲しかった」
『………寝る』
「お兄ちゃんとvV??」
『逝ね』
「死ねから逝ねになった!!」
捺は再び布団に潜る。
「…なっちゃん、ここ以外に住むならどんなとこがいい?」
『は?』
「もしもの話し」
『………いいよ、どこでも』
「…そっか」
そう返事を返すと、悠斗は立ち上がり部屋を出ようとドアへ向かう。
「ちょっと買い物行ってくるねvV」
『…分かった』
「寂しくて泣いちゃ駄目だぞ〜☆」
『いなくなって清々する。
泣くなら、嬉し泣き』
「ひどーい!(あの時の寝言はなんだったんだか…ハハハ)」
悠斗は、いってきますと言い部屋を出た。
『…どこでもいいよ、住むところなんて』
捺は、ポツリと呟く。
『悠斗がいるなら、他は…要らない…』
目を開ければ、悠斗がいますように。
そう願って、捺は目を閉じ眠りについた。
(行かないで、そう言えば良かったと後で後悔することになった)