君が嫌いな君が好き
―捺side―
悠斗が買い物に行って暫くがした。
私は段々と、うとうとしてきた。
ドンドン!!
急に、部屋のドアが乱暴にノックされた。
否、ドアが乱暴に殴られた。
『……どうぞ、…?(悠斗じゃない…)』
ガチャリ、とドアが開かれる。
「よぉ、クソガキ」
『……叔父さん』
そこには、ニヤニヤと笑う叔父がいた。
叔父は、遠慮なく私の部屋にズカズカ入りこんできた。
『叔父さん、何か用?』
熱のせいで、あんまり頭が回らない。
気のせいじゃないかもしれないけど、目の前が霞んできた。
「クソガキ、悠斗に告げ口してないだろうな」
きっと、昨日のことだ。
『…言ってない』
「ハンッ、そうか…」
叔父はニヤニヤと笑いながら、ベットに座る私に近づいて来た。
熱さえなければ、なんとか上手く逃げてやるのに。
『っ…(体も頭も…ッ…上手く動かせない…)』
「なぁ、クソガキ」
『?』
ガンッ!!!
私は、叔父に殴られた。
―捺side end―
(悠斗、早く帰って来て。ううん、帰って来ないで)