君が嫌いな君が好き
―捺side―
殴られた……?
熱で痛みもよくわかんないや…。
『っ』
私は頬を殴られた衝撃で、ベッドに倒れこんだ。
『っ、はぁッ…は、ぁ…』
熱、上がってきたかもしれない。
息が…だんだん荒くなる。
『っ…』
「クソガキが!」
バチィン!
私は背をおもいっきり叩かれた。
そのせいで、私はむせてしまう。
『ッゴホッ…コホッ…ッカ、ハッ…』
叔父は、どうして私と悠斗に辛くあたるんだろう。
「大好きな大好きな悠斗お兄様に助けを求めるかぁ?」
叔父は、冗談混じりにそう言って笑った。
私は、今ある力を振り絞って叔父を睨んだ。
『っ…
私は…悠斗に助けなんかッ……は、ぁッ、…求め、ない…っ』
熱に負ける思考に鞭を打ち、そう言い放つ。
すると、叔父は顔を歪めた。
「!…ガキが、生意気に…!」
『っ…私、は…悠斗にばっかり、頼らない…のッ…。
それに……悠斗を呼んだら…っアンタ、悠斗を殴る、で、しょ………?』
ニヤリ、と嘲笑うかのように私は叔父を見てやった。
叔父の振りかざされた手は、もう私の目の前にあった。
―捺side end―
(悠斗、帰ってきちゃ駄目だよ…?)