君が嫌いな君が好き
カチャ
「じゃ、俺片づけてくるから」
『…』
「ちゃんと布団きて寝るんだよ?」
『分かってる、子供じゃないんだから』
捺の言葉に悠斗は、ハイハイと返事をし、おぼんを持ち上げる。
「お腹出してちゃ駄目だよ」
『出さないってば!』
捺はそう言うと、ベッドに寝転がった。
布団を頭から被る捺を見て、悠斗はドアに手をかける。
『…悠斗』
「?」
ガチャ、とドアを開けると共に捺の声がした。
『………ごちそうさま』
「!!」
枕にでも顔を埋めているのだろうか。
照れたような捺の声音はくぐもっていた。
悠斗は、そんな声に小さく微笑みながら呟いた。
「おう、…お粗末様でした」
捺は布団の中で枕に顔を埋め、頬を赤く染めていたのだった。
『ん、…』
捺はあのまま寝ていたようで、時計の短い針が12時を指す頃寝苦しさで目を覚ました。
『あつ…』
布団を頭から被っていたせいか、それとも熱のせいなのか、捺の頬は紅潮していた。
『…汗でビチョビチョだし………』
最悪、と言葉をつけたし捺はタンスから着替えを出した。
『…下着も変えようかな』
そして、捺は服を脱ぎはじめた。
ガチャ、
「『………あ』」
(これはれっきとした事故)