イジワル王子に恋して
「わたし…」

彩子は震える声でつぶやくと
教室を見渡した。


…何だ?

教室中の視線を受ける。


彩子はちらっと
俺を見て、深呼吸をした。


「私…圭くんと付き合ってます!!」


彩子は突然そう叫んだ。


は?

何だよ。いきなり。


「彩…」


クラスは一気に
騒がしくなる。


彩子は泣きそうになりながら
俺の腰に巻き付いてくる。


「ごめんね…圭くん…」

「バカ…」


これから
どうなってもしらねぇぞ…

…だけど
お前の勇気にご褒美だ。


彩子のあごを引き寄せ、
唇を塞いだ。

女子達の悲鳴があがる。


腕の中で固まる彩子を
強く抱きしめ、愛おしく思った。
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