イジワル王子に恋して
そのまま
ちょうど来た担任の脇をすり抜ける。


もちろん
左手に
彩子を連れて。


校舎を出て、駐輪場に急ぐ。


彩子は黙って、小走りでついて来る。


必死で探した思い出の自転車にまたがる。

彩子もそれに続く。


「圭くん…好きだよ。」


彩子は背中にギュッとしがみついた。


…バカ。

多分、俺の方がお前の事、好きかもしれない。

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