イジワル王子に恋して
「飲んだ方がいい?」

「やなら飲まなくていい。」

仕方なく
クピっと一口飲んでみる。

「…苦っ。」

口いっぱいに初めての味が広がる。

なんとか飲み込んだが
苦みがひかない。


「…雅人くん、よくこんなに苦いの飲めるね?」

「こんなの飲めなかったらガキだよ。」

雅人くんは
また缶をあおった。


(ガキ…)

いつも圭くんに言われ続けている彩子の大っ嫌いな言葉。

彩子は缶を握りしめた。
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