ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


「西藤くんっ西藤くんっ♪」

他のクラスの奴らと話をしていて、そろそろ帰ろうと、荷物を取りに戻るや否や、間が話かけて来た。

もう教室には、間しか居ない。

「何?」

どうせたいしたことじゃないんだろ?そう思いながらも、返事をする。

「あのねぇ…聞きたい?」

ふふふと笑いながら、間が近寄る。

「別に」
「聞きたいでしょお〜?」

あぁ…もうめんどくさい。

「俺、帰るわ」

間を放って、教室のドアの方へ歩いて行く。

「ちょっと待ってよぉ〜!」

間は追いかけてきて、俺の前に立った。

「苺ちん、翔くんに告られたんだって!」

…。

「あっそう。だから何だよ、邪魔」

間を避けて、俺は教室を出た。


マジであの女、何だよ…。
いちいち、報告すんな。
そんな報告いらねぇ…

そんな…報告…。

津田はどう返事したのだろう。
津田だから、きっと困ったんだろうな。
困った顔がすぐに想像出来て、なんか笑えてくる。
そして、何故か寂しくなった…。

そういえば…間は何で教室に残ってたんだ?

報告するため?

だったらどんな暇人だよ。

あいつ…間はどうしても、好きになれない気がする。

何か…ありそうで。


「ただいまー…」

と、玄関を開ける…が、母さんはまだ仕事から帰っていない。
親父は帰っているはずもない。

そのまま、まっすぐ自分の部屋へと向かう。

ガチャ

「あ、お帰り、裕ちゃん♪」

そこには、俺のベッドに座っている麗奈が居た。
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