ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「じゃあ、裕ちゃん…今日はありがとう♪」
家の前で、麗奈が言った。
「おぉ、おやすみ」
「おやすみっ♪」
麗奈はにこにこ笑顔で手を振りながら、玄関へと歩いて行く。
俺は麗奈が完全に家の中に入るのを見送った後、歩き出す。
家はすぐ隣。
…と、家の前に誰か人影が見えた。
「…?」
誰だろう…こんな遅くに。
近づいて行けば、だんだん人影が大きくなって、はっきりしていく。
「ー…?」
俺は全く予想しない人物に、驚いた。
「こんばんは」
そう挨拶したのは…
津田のことが好きだという、あの1年だった。
「こんばんは、何?」
こんな時間に、何の用があるのだろう。
「すみません、こんな時間に…。家、調べるような事してすみません」
翔とか言った1年は、頭を下げる。
「別にいいけど…何?」
もう一度、用件を問う。
「いきなり…こんなこと言うの失礼ですが、西藤先輩…
苺先輩の事、好きですよね」
ドキッと一瞬、心がびくついた。
また言われた…。
前に間にも言われたこと…。
はぁ…。
上手くやってるつもりだったのに。