ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


ごめん…。

心の中で謝った。

チャイムが鳴って、自分の席へ向かう津田。
椅子へ座る津田は、相変わらず小さくて愛おしいと思う。


先生が教室に入って来て、日直の「起立…礼」という言葉に従う。

津田と話してしまえば、気持ちを隠せなくなるから話せない。

今まで女子と仲良くしたことがないから、“友達”として津田と接していても、周りからは不審に思われる。

だからって、冷たくしていいわけじゃない…いきなりの変化に津田を傷つけているのだって分かってる。

本当…ごめんな。

話しかけられると素っ気なくするくせに、本当は嬉しいんだ。

津田はそれでも、笑いかけてくれるから…健気に…。



授業が終わってから、あの1年が教室に来ていた。

仲良さそうに話しながら帰る姿…。
されは周りの言う通り“お似合い”。

付き合ってるだとか、
付き合ってないだとか、

噂が錯乱するけど、津田は何も言わないから分からない。

ただ、毎日一緒に帰ってる。

「裕ちゃん♪」

麗奈が教室に入ってきた。

俺は…毎日麗奈と帰る。
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