ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
気分は重たかった。
別に、麗奈が悪いわけじゃないけど、明人さんに言えよ…って思う自分が、正直居た。
無理なのだって分かってる。
明人さんは絶対に、麗奈の“彼氏”には、ならないのだから。
それでも、行き場のない俺の気持ちは溜まって、イライラするばかりで、時々ひどい事を思ってしまう。
最近は、こんなんの繰り返しだった。
教室に入ると、真っ先に目に入ったのは、津田だった。
「−…?」
が、いつも友達やあの1年と、笑って話をしている津田じゃなくて、教室に居たのは、机に腕を乗せて、顔を埋めた津田だった。
いつもと違う感じに、不信感を覚え、話かけようと近づいた。
その時、俺よりも早く、津田の友達が近づいて話し掛ける。
「苺、大丈夫?どうかした?」
「…あ、おはよ♪大丈夫、ちょっと眠いのー」
「なぁんだ、心配したよー」
「ありがとう♪」
顔は見えなかったが、津田の声には笑みが混ざっていて…だから、それほど心配しなかった。
そして、俺達の修学旅行は始まった…。