ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


コンコン…

部屋のドアをノックする。

夕食後、俺は津田の居る部屋へと向かった。

あの後、津田は病院に連れて行かれ、風邪と診断された。
そして、他の生徒に移るのを避けるため、先生と同室になったらしい。

ガチャ

「はい」

出てきたのは、保健の女の先生。

「津田…具合どうですか?」
「うん、少し落ち着いたみたいで、今寝てる。これから悪化することは、もうないと思う」
「そうですか…」

よかった…と、胸を撫で下ろす。

「あ、西藤くん…少し頼まれてくれない?」
「何ですか?」
「今から職員会議があるの。それで、少し部屋を空けなきゃならなくって…」

つまりは、

「俺が部屋に居ればいいんですか?」
「そう。すぐに他の子呼んで来るから、少しだけ居てくれる?」
「はい」
「ありがとう」

部屋に入ると、2つ並んだベッドの1つに、津田が眠っていた。

「西藤くん、ここ座ってて」

先生が椅子を出して、小声で言う。

「あ、ありがとうございます」

言われた通りに、椅子に腰かけた。

「じゃあ、少しお願いね」

先生は、本当に時間がなかったのだろう…それだけ言うと、急いで出て行った。
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