ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「すー…すー…」
静かな部屋に、津田の寝息が響く。
寝てるとはいえ、津田と二人きり−…。
先生も何を考えているのだろうか、少なくとも男と女なのに…。
なんて、何もする気はないけど。
少し離れた距離から、津田の寝顔を見る。
静かな寝息は、もう大丈夫…ということだろう。
安心して、俺は微笑んだ。
「んっ…」
津田が寝返りを打って、少し布団が剥がれ、
布団を直そうと、津田の方へ近づく。
「……」
布団をそっと掛けて、俺はそのまま手を止めた。
津田は仰向けになって、寝ている。額には、先生が買って来たのだろうか…冷えピタ。
寝顔は本当に子供みたいで…。
どうして、この子は…こんなに純粋なんだろう。
かわいい…
愛おしい…
好き…
この子が好き。
もう、他じゃダメなんだ…。
麗奈を傷付けることは、分かってる。
でも、俺もこの子みたいに、純粋になれたら…。
麗奈にも偽りの恋じゃなくて…本当の恋をしてほしい。
…全部、自分のためだって分かってる。
麗奈のことを、思うフリをする自分はずるくて…。
だけど、この気持ちはもうどうしようもない。
……ごめん。
俺はそっと、津田の唇に…
自分の唇を重ねた−…。