ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


………。

ここは何処だろう。

見たこともない道に立っている。

“誰か”とはぐれた気がする。

“誰か”を探さなくちゃ。

あたしは走る…ひたすら走る。

と、急に周りに沢山の人が…。

大きな大きな人達が、あたしの周りにどんどん…どんどん増える。

人の影で視界が暗くなる。

埋もれるっ!

『助けてっ!』

人の海の中、手が差し出され、

あたしは迷うことなく、その手を掴んだ。

すると、周りの大きな沢山の人達はパッと消えて、

あたしはその手の主に、引っ張られてまた走る。

走る…走る…走る。


『…?』

急に止まった。

あたしの手を引っ張っていた人が、振り返る。

そして、顔が近づいた。

どうして…?
顔が…見えない。

なのに、すごく落ち着くの…
安心するの…
心があったかくなるの…。

あたしは目をそっと閉じる。

唇が重なる。

柔らかくて、生暖かい…。


あなたは…誰ですか−…?
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