ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

ありがとう。

♪苺side♪


修学旅行3日目。

「じゃあ、これ鍵ね?」

先生に渡されたのは、カードキー。

「大丈夫?先生も着いててあげようか?」
「一人で大丈夫です。ありがとうございます」

あたしは軽く頭を下げた。

「何かあったら電話してね?」
「はい」

あたしは一人で、エレベーターに乗る。

本来なら、今日は自由行動で回るはずだったんだけど…あたしはホテルでお留守番。

つまんない…寂しい…。

なんて思うけど、まだ少し微熱があるし、これ以上みんなに迷惑はかけられない。
だから、先生の言うことを素直に聞き入れた。

同伴で一緒に居ようか?と、先生が言ってくれたのを断ったのは、一人の方が楽だから。


ピー…

カードキーでロックを外して、部屋の中に入る。

ドサッ

あたしは荷物と一緒に、ベッドへダイブした。

制服がしわになる…なんて、一瞬思ったけど、もう動きたくない。

「はぁ…」

あたし、昨日からずっと同じこと考えてる。
おかげで、あまり寝れなかった。

ずっとドキドキして…。

夢か現実か、どんなに考えても分からない。

寂しいけど、今日が単独行動で良かったかも…と、思った。

西藤くんと会ってしまったら、あたしはどんな顔するか、分からないから。

「はぁ…」

あたしはまた、ため息をついた。
< 175 / 494 >

この作品をシェア

pagetop