ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

−……‥。


〜♪

携帯の着信音で、あたしは目を覚ました。

いつの間にか、眠りについていたらしい。

すぐに音が切れたから、きっとメール。

せっかく眠っていたのに…。
誰だろう?

あたしはブレザーのポケットから、携帯を取り出す。
まだ眠くて、開いては閉じる目で、メールを確認した。

えぇと…
受信BOXの【高校】と、いう欄が赤くなっている。

あたしはカチッと、決定ボタンを押した。

【11:13 西藤くん】

なんだぁ…西藤くんかぁ…。

あたしの目は、再び閉じようとする。

「……………えっ!?」

あたしは飛び起きる。
一気に目が覚めた。

なっ…何でっ!!??

あたしは震える手で、メールを開いた。

【おはよ。体調どう?今ホテル?】

普通の…昔と変わらない、西藤くんの無愛想なメール。
何だかホッとした。

【おはようありがとう、もう大丈夫だと思うそうだよ】

返事を送る。

〜♪
すぐに返事は帰ってきた。

【じゃあ、ちょっとフロント出て来て。】

え…?

【どうして??】

【待ってるから。】

………。

一瞬、見間違えかと思った。
だけど、何度見ても“待ってる”って書いてある。


さっきまで、会いたくないなんて思ってたくせに、

気付けばあたしは、スカートに出来たしわも気にせず、走り出しててたんだ…。
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