ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


「寒っ!」

あたしは玄関を開けるなり、肌寒さをいっぱいに感じた。

沖縄に居たからかな…?
いつもより寒く思う。

もう11月も半分終わってしまったから、これから寒さもキツくなるばかりだろう。

だけど、あたしは何だかワクワクして、足取りが軽い。

単純なあたし。
決して両思いになったわけじゃないのに、期待せずにはいられなくて…。

西藤くんに会えると思うと、寒い道を歩いて学校に行くのも、楽しくなる。

また、笑いかけてくれるかな…。
いっぱい話したいな…。

恋の酸っぱさも忘れて、この時のあたしは、何だか幸せを感じてた。


「苺先輩っ、おはよ♪」

真っ先に声をかけてきたのは、翔くん。

「あっおはよう♪」

あたしは笑顔で挨拶した。

「何かいいことあった?」
「えっ」
「何かめっちゃ嬉しそう」
「そ、そうかな?」

そんなに顔に出ていたのだろうか…。

「なになに?」
「えっと…」

あたしは言葉を濁らせた。

だって、翔くんはまだあたしのこと−…。

「西藤先輩?」

あたしはつくづく顔に出る性格らしく、翔くんはすぐに気付いた。

「なんか進展?…あ、頑張って♪」
「え?あっ…」

何故だか急に、走り去る翔くん。

お土産渡そうと思ったのに…。
どうしたんだろう。

「津田」

ドキッ

また歩き出そうとした時、あたしは声をかけられた。
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