ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
隣を歩いていた麗奈は、家の前で足を止めた
。
そして、目を閉じる。
夜風で麗奈の、長い髪とスカートがなびく。
「裕ちゃん…」
そっと麗奈は目を開けた。
「苺ちゃんは裕ちゃんのこと、好きじゃないって」
「は…?」
麗奈は真剣な目。
「何て話したか知りたかったんでしょ?好きじゃないって」
「−……」
「それだけ…。おやすみ」
麗奈はまた歩き出して、家の中に入った。
俺はその場に、立ちすくむ。
津田は好きじゃない…か。
確かに、その通りかもしれない。
津田が告白してくれたのは2月…。
あれからもう、9か月以上経ってるんだ。
気持ちが変わっていても、おかしくはなくて。
津田を好きだと言う、あの1年も現れて。
好きじゃなくなっていても、驚くことはない…普通のこと。
なのに、津田はまだ想ってくれてる気がして、ならなかったんだ。
「自惚れてんな」
俺は、ははっと軽く笑った。